特発性膀胱炎

猫の下部尿路疾患の内訳は、

となっています。

この特発性膀胱炎のリスク因子は、

などです。
ストレスは、人の出入りや赤ちゃんの泣き声など人間との関係、よく吠える犬や相性の悪い猫など他の動物との関係、花火や雷、工事や風の音など環境因子、そしてトイレの問題と多岐にわたります。
特発性膀胱炎の症状は、血尿、頻尿、残尿感、トイレ以外での粗相などがみられることが多いです。

特発性膀胱炎の検査

◎尿検査・・・朝一番の尿をできる限り新鮮な状態で提出をお願いします。約2ml(コーヒーミルク1個分)の液体尿が必要です。赤血球や細菌、結晶の有無、pHや尿比重などを調べます。
○エコー検査・・・膀胱内の状態、膀胱粘膜の厚み、結石の有無、左右腎臓の状態などを確認します。
○レントゲン検査・・・腎臓や尿管、膀胱に結石がないか確認します。
△血液検査・・・腎臓の数値や電解質の状態、脱水の有無などを調べるために行うことがあります。

特発性膀胱炎の治療

◎消炎鎮痛剤・・・排尿痛や残尿感の緩和目的で使用します。
◎フード・・・ストレスに配慮した尿路疾患用のフードが必要です。
○サプリメント・・・食通の猫ちゃんでフード変更できない場合、オメガ脂肪酸やミルクプロテインのサプリメントを服用していただきます。
○フェロモン・・・ストレスを軽減し、気持ちを落ち着かせるフェロモン。お部屋に拡散器を設置します。

特発性膀胱炎の予後と対策

特発性膀胱炎は再発率の高い疾患です。というのも、多くの場合ストレスが原因となっているためです。普段から安心してくつろげる場所を作り、何かの時には避難できるスペースを確保してあげてください。
トイレはできるだけ大きく、屋根を付けず、固まる砂で、砂の量はたっぷりと、いつも綺麗に掃除するようにして下さい。トイレの数は頭数+1個必要です。設置場所は振動や音がない落ち着く場所にお願いします。
飲み水はまめに汲み変え、足していくのではなく、毎回食器は清潔に洗ってください。水の器も頭数+1個用意してください。噴水型や滝型の動く水に興味を持つ猫も多いので一つは設置してあげると良いでしょう。
肥満は大敵です。おもちゃ等も使いながら運動量を増やし、体重管理をお願いします。