感染症

感染症は、細菌・ウイルス・真菌・寄生虫など様々な原因で生じる病気です。原因により、幼少期に多くみられるものや、特定の地域で多い疾患、犬種猫種関係なく全年齢でみられる疾患など様々で、治療に反応するものもあれば、予後不良な病気まで様々です。
症状は、原因により様々ですが、共通しているのは、発熱であり、それに伴う元気消失や震えなども多くみられます。その他の症状では、眼脂、鼻汁、咳、嘔吐、下痢、食欲不振、痙攣、黄疸など非特異的な症状が多く、症状のみでは感染症以外の疾患との鑑別は困難です。
感染経路は、感染源となる眼脂や唾液、糞便や尿、鼻汁や吐物などが、口や鼻、粘膜などから侵入する場合や、ダニなどの節足動物を介する場合、汚染された土壌や水が口や傷口から侵入する場合、常在菌が日和見感染する場合など様々です。潜伏期間も数日から数ヶ月まで様々です。
これらの鑑別には飼主様からの情報が必要です。問診では下記のようなことをお尋ねします。普段からノートに記録をつけておいてください。

高熱
高熱
細菌のグラム染色
細菌のグラム染色

感染症の検査

◎血液検査・・・血球計算や血液化学検査により細菌かウイルスかの推察をすると同時に、併発疾患の有無を確認します。
○エコー検査・レントゲン検査・・・特徴的な画像所見のある疾患もありますが、除外診断を目的としても行います。
△抗原検査・抗体検査・・・いくつかの疾患では、検出できるものもあります。
△PCR検査・・・いくつかの病原体は確認することができます。
*その他、各疾患ごとに特殊検査が必要な場合があります。

感染症の治療

◎点滴・・・発熱や嘔吐下痢などによる脱水状態の改善のため、水分や電解質を補います。
◎抗生剤・・・原因菌に対して処方する場合と、二次感染の制御を目的として処方する場合があります。
*その他:制吐剤、抗痙攣薬、抗真菌剤、抗血栓薬、利胆剤、鎮痛剤、鎮静剤、免疫療法薬、好中球刺激因子など原因や症状に応じて治療が異なります。

感染症の予防

◎ワクチン・・・定期的な接種により感染防御することができたり、感染した際に軽症で過ごせたりするためメリットは大きいです。
◎ダニ予防・・・ダニが媒介する疾患も多いため、一年中毎月の投薬が必要です。
◎健康管理・・・ストレスがかかったり、免疫力が落ちている時などに感染症にかかりやすいです。特に基礎疾患がある子は十分に注意して生活して下さい。
*散歩中など、他の動物の排泄物は匂わせないこと。水溜りの水を飲ませないこと。