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猫の乳がんを早期発見するために ~キャットリボン運動の講習会に参加しました~

2026年10月31日に獣医師の先生方との懇親会、翌11月1日には「九州画像診断研究会 × キャットリボン運動」の講習会に参加してきました。

今回の講習会のテーマは、「犬と猫の乳腺腫瘍はこんなに違う!」です。

乳腺腫瘍とは、人の乳がんと同じように、犬や猫のおっぱい(乳腺)にできる腫瘍のことです。

講習会では、腫瘍の専門医の先生方から、乳腺腫瘍の診断、手術、抗がん剤治療、痛みの管理、そしてご家庭での早期発見について学びました。

今回は、その中でも飼い主様にぜひ知っていただきたい内容をご紹介します。

猫の乳腺腫瘍は、犬と大きく異なります

犬と猫では、乳腺腫瘍の性質が大きく異なります。

犬の乳腺腫瘍には良性のものも多くみられますが、猫の乳腺腫瘍は約8~9割が悪性(乳がん)といわれています。

つまり、猫のお腹に小さなしこりを見つけた場合、「小さいから大丈夫」「痛がっていないから様子を見よう」と判断するのは危険です。

猫の乳がんは、周囲の組織やリンパ節、肺などに広がることがあります。

そのため、しこりが小さいうちに発見し、適切な検査や治療につなげることが大切です。

乳がんは早期発見が重要です

猫の乳がんでは、発見されたときの腫瘍の大きさが、その後の経過に関係することが知られています。

一般に、腫瘍が小さい段階で治療できた猫の方が、腫瘍が大きくなってから治療した猫よりも良好な経過を期待できます。

乳腺腫瘍の治療は手術が中心ですが、腫瘍の大きさや広がり、転移の有無などによって治療方法は異なります。

今回の講習会でも、レントゲン検査や超音波検査、CT検査などを用いて病気の広がりを調べ、適切な治療方針を決めることの重要性が紹介されました。

ただし、どの検査や治療が必要かは猫の状態によって異なります。

大切なのは、しこりを見つけた段階で早めに動物病院に相談することです。

ご家庭でできる「おっぱいチェック」

今回、特に印象に残ったのが、キャットリボン運動で紹介された、ご家庭での乳腺チェックです。

猫のおっぱいは、胸からお腹にかけて左右に並んでいます。

普段からこの部分を優しく触ってあげることで、小さなしこりや普段と違う変化に気づける可能性があります。

ただし、猫はお腹を触られることを嫌がる場合も少なくありません。

そこで紹介されたのが、猫に無理をさせず、少しずつ触られることに慣れてもらう方法です。

おっぱいチェックを習慣にする3つのコツ

① 好きな場所から優しくなでる

最初からお腹を触るのではなく、背中やお尻など、猫が喜ぶ場所から始めます。

② おやつや食事を利用する

好きなおやつを食べている間に優しくなで、少しずつお腹の方へ触れる範囲を広げていきます。

③ 嫌がったら無理をしない

一度に全部を確認する必要はありません。猫がリラックスしているときに、短時間ずつ続けることが大切です。

毎日のスキンシップの中で、自然に乳腺を確認できるようになることが理想です。

なお、しこりを探すために強く押したり、揉んだりする必要はありません。

こんな変化があればご相談ください

日頃のスキンシップで、次のような変化がないか確認してみてください。

  • おっぱいの周囲に小さなしこりがある

  • 皮膚の下に硬い粒のようなものを触れる

  • 以前はなかった膨らみがある

  • 乳腺の周囲が赤くなっている

  • しこりが大きくなってきた

これらの変化があっても、必ず乳がんというわけではありません。

しかし、触っただけで良性か悪性かを判断することはできません。

小さなしこりでも、見つけた場合には早めの診察をおすすめします。

最後に ~日頃のスキンシップが早期発見につながります~

今回の講習会を通じて、改めて乳腺腫瘍の早期発見と、適切な診断・治療の重要性を学びました。

動物医療は日々進歩しており、診断方法や治療方法についても新しい知見が蓄積されています。

室見動物病院では、こうした学会や講習会で得た知識を日々の診療に取り入れ、犬や猫の健康を守るために役立てていきたいと考えています。

そして、病気の早期発見には、私たち獣医師による診察だけでなく、毎日一緒に暮らしている飼い主様の気づきが欠かせません。

今日からぜひ、愛猫とのスキンシップの時間に、お腹のチェックも取り入れてみてください。

小さな変化に気づくことが、大切な家族の命を守る第一歩になるかもしれません。

 

院長

室見動物病院

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